イマジンの橋川です❕
今回は、イマジン・メンバーのTさんの自立課題を新たに作成したので、そのことを話そうと思います!
自立課題とは、TEACCHプログラム(自閉症支援の方法論の一つ)で用いられる、準備から片付けまで本人が自立して行うことのできるよう作られた課題のことをいいます✏️
自立課題を作る上で、「構造化」という考え方が重要となります✨
私たちが暮らしている社会や環境は、自閉症の人にとって「圧倒させるもの」だと言われています。
前回、自閉症スペクトラムの4つの特性についてお話ししました📄
その中の「想像力の特性」や「社会性の特性」で言うと、「その場で何をすればよいのか」や「どんな行動が求められているのか」が分かりにくいと、自閉症の人は見通しが立ちにくく、困り感を抱きがちです…。
定型発達の人でも、初めての場所や慣れない場所では不安になります。
自閉症の人は、こうした不安や緊張を、より強く感じやすいとされています💦
私たちの社会には、自閉症の人にとって分かりにくく、曖昧なことがたくさんあります😱
そのような不確定で混乱しやすい要素を整理し、分かりやすく環境を整えることを「構造化」と呼びます✨
構造化では、いま何をするのか、次にどうなるのかを、本人の理解のレベルに合わせて、具体的かつ視覚的に示すことが重要です。
例えば、机上で取り組む課題を考えてみましょう💡
複数枚の絵カードを、いくつかのカテゴリーに分類する課題であれば、分類しやすいよう絵カードの違いがそれぞれハッキリわかりやすいものになっているか、分類するエリアが明確に示され組織化されているか、などを考慮に入れる必要があります🤔
このとき、本人の理解のレベルにあわせて分かりやすく整理すること=構造化することが重要です❕
初めにも言いましたが、自立課題は準備→課題→片付けまで、1人で自立して終えることができる形であることが重要です。
支援者の介入なく課題に取り組み、終えることで、本人の自己効力感を満たします🙆
しかし、課題と本人の理解のレベルがマッチしていなければ、課題の意味がわからず混乱したり、支援者の指示を待ってしまうなど、自己効力感を満たし得ない課題となってしまうでしょう…😢
では、そのようなミスマッチを避けるためには何が必要でしょうか❔
ここに、前回お話しした評価(アセスメント)の意義があります。
指先で資材を掴むことはできるか、ボルトやネジを回すことはできるか、文字は読めるか、色の区別はついているのか、等々。
課題に取り組むメンバーの理解のレベルについて評価をとった上でないと、適切に課題を構造化することはできません❕
評価をしっかり取った上で本人が確実にできるレベルに構造化し、成功体験を積み重ね自己効力感を育む点にこそ、自立課題の意義があります💫
それでは、以上の自立課題と構造化の考え方をふまえて、今回作成したメンバーのTさんの自立課題を見てみましょう👀
事前の評価として、Tさんは乗り物が好きで、ヘルパーさんとのお出かけの際どのような交通手段で出かけるか、イマジンで話されている場面がありました🚌
また、幼少期よりトミカやプラレールなどのおもちゃを自宅でコレクションしているというお話もご家族から伺っていました📝
これらの点から、今回は乗り物を使った課題を作成しようと考えました💡
次に、Tさんが赤や青など原色系の衣服をよく身につけている点に注目しました。
色に対してこだわりがあるのであれば、色分けなどの課題は得意ではないかと考えました🤔
最後に、Tさんはひらがなや簡単な漢字であれば文字が読めるため、この点も課題を作る上で活かせる強みになると思いました!
その結果、完成した自立課題が、サムネイルの画像になります📸
自立課題を構造化する上で重要となる3つの要素(視覚的指示、視覚的明瞭化、視覚的組織化)がこの課題でどの点にあたるのかについて、解説した画像も合わせてあげています👍
先日、日中の作業の中で上の課題に取り組んでもらいましたが、Tさんは「くるま」と読み上げながら1枚ずつカードを手に取り、ていねいに分類をされていました✨
課題の意図が本人に伝わったことが、ひとまず嬉しかったです😊
今後も要素を足したり、難易度を調整したりしながら新しい課題を作り、本人の「できる」気持ちを育む機会を設けて行きたいです❕
それではまた!